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こんにちは 一條 彰(経歴)です。
僕は腹がたっています。
なぜなら、英語のプレゼンで使うパワーポイント資料の作り方をネットで調べていたら適当なことを書いた低品質なサイトしか確認できなかったからです。
中には間違った情報を垂れ流しにしているサイトもありました。
ただでさえ日本人の英語力は低いと世界中でバカにされているのにこのままだと下手くそな英語のプレゼンをする人が量産されてしまう・・・。
日本と日本人を愛する私は、世界中から日本人が笑われ続ける状態になることが許せません。
そこで本日は、英語が母国語の聴衆から評価されるプレゼン用パワーポイント資料を作成する6つのステップについて解説する記事を書きました。
中でも、
- 英語のプレゼン資料の大原則
- 優れた英語のプレゼン資料の特徴
- 英語版プレゼン資料作成時の5つの注意点
は多くの日本人が勘違いしていることを解説していて、とても重要です。
そもそも英語のプレゼンテーションは異文化から来る外国人向けにおこなうため、日本人の常識で資料を作ると良い評価を得ることができません。
でも、今からお伝えすることを守っていただければ、必ず良い反応を得られるようになります。
あなたがお探しになられている情報が必ず見つかりますのでぜひこの記事を最後までお読みくださいね。
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詳しくは↓から
https://eigoryoku.co.jp/presentationmailmagazine/
英語のプレゼンテーションの大原則
英語のプレゼンテーションには以下の大原則があります。
これらを抑えて評価されるスライドが仕上がるように心がけましょう。
(1)パワーポイントを使う
信じられないかも知れませんが、いまだにOHP(オーバーヘッドプロジェクター)の資料を作成している方がおられます。
資料は必ずパワーポイントで作成しましょう。
(2)西洋人と東洋人ではプレゼンで注目する対象が異なる
これは、欧米の研究機関によって明らかにされています。
シカゴ大学の研究チームによると、
- 東洋人は情報を全体的且つ文字ベースで処理する傾向が西洋人より強い
- 東洋人と西洋人はモノの見方、認知方法、記憶の処理方法が異なる
- 例えば水族館では、一般的に、西洋人はそこで泳いでいる魚に注視しその感想を述べるが、東洋人はそこで見えている魚以外の状態(例.水、水草、岩など水槽の中の状態)にも注視して水族館全体の感想を述べる
そうです。
参考文献
出展:https://www.researchgate.net/publication/308536086_Do_Easterners_and_Westerners_Differ_in_Visual_Cognition_A_Preregistered_Examination_of_Three_Visual_Cognition_Tasks
つまり西洋人は注目する範囲が狭く、また文字だと情報を拾いにくいのです。
従って、西洋人向けと東洋人向けでスライドに反映する情報を変えなければなりません。
- 西洋人向けは文字少なめのスライドを作り、スライドに含まれていない情報は声や音声、映像などで補完する
- 東洋人向けは文字が多少多めのスライドを使っても大丈夫
ということを頭にいれてプレゼンの準備をしましょう。
(3)1枚のスライドで伝えるメッセージは1つだけ
日本人が作成する英語のプレゼン資料は、1枚に文字を詰め込みすぎでさらに複数のメッセージがちりばめられていることが少なくありません。
しかし、これは欧米人に評価されません。
日本で事業を営むロッシェル・カップさんも↓のようにつぶやいています。
英語ツィッターで、日本のパワーポイントスライドのデザインについて議論が展開している。https://t.co/2LtnjTgF6E
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) November 24, 2020
↓は良くない事例です。
ダメな資料はこんな感じで文字がギッシリ。
出展:https://www.slideshare.net/aliladakhi/toll-ppt
できれば、↑のような箇条書きと長い文章を書くのはやめた方が良いですね。
↓のような文字数が少なく画像が鮮明なスライドが理想的です。
優れた資料は必ず1枚に1つしかメッセージが入ってないことを念頭にシンプルなスライドを作成することを心がけましょう。
ただし、どうしても文章を箇条書きにしなければならない場合や長く書かなければならないケースもでてくると思います。
そういった時の対処法も後ほど説明しますのでぜひ最後までこの記事を読んでくださいね。
(4)プレゼン資料はあくまでもプレゼンテーターを際立たせるツールである
パワーポイントのスライドはあくまでもプレゼンテーターの説明を補助するのが目的です。
一方で日本の会社では文字をギッシリ詰め込んだ資料を作成するよう指導し、資料作成に全精力を注ぎ込む(それだけで疲れてしまい)ことで、プレゼンの練習をないがしろにしていることが少なくありません。
これでは本末が転倒しています。
資料を作り込むのは大事ですが、プレゼンの練習に時間を費やすことの方がもっと大事なのです。
(5)見映え重視
安っぽいイラストや写真は避けて高品質の画像を導入しましょう。
また、Powerpoint付属のテンプレートは多くの人が使っており、安っぽさを拭えないので有償のテンプレートを購入した方が良いですね。
パワーポイントのテンプレートは様々なサイトからダウンロードできます。
有名どころでは、
有償:
無償:
と言ったものがありますが、無償のものは安っぽくてプロらしくないので、有償のものを使われた方が良いです。
ただし会社が定めたテンプレートがあるならばそれを使うようにしましょう。
(6)Call to actionを必ずいれる
Call to actionとはプレゼンを見た聴衆にとって貰いたい行動を伝えることです。
- 買って欲しい
- 連絡して欲しい
- 申し込んで欲しい
- 取引を開始して欲しい
- 採用して欲しい
などプレゼンを行う様々な目的がありますよね?
あなたが聴衆に取ってほしい行動を必ずプレゼンの最後に伝えるようにしましょう。
英語版の優れたパワーポイント・プレゼン資料の事例
ここでは3つのパワーポイントで作られた英語版のメッセージの発信力が高いプレゼン資料を紹介します。
(1)Fix your really bad powerpoint by Slide Comet
文字数は最小限でイメージを多用し、美しい色使いとフォントを用いたスライドで聴衆にメッセージを伝えることができています。
大変わかりやすい資料でプレゼンテーターがいなくてもメッセージが伝わってくる素晴らしい資料です。
(2)Snapchat hacks – too easy to ignore by Gary Vaynerchuck
Twitterを用いてワインを販売し年商1億ドルの企業を作ったことで有名なゲリー・ヴェイナチェック氏のプレゼン資料です。
テーマは米国で流行中のSNSアプリ、スナップチャットの有効活用法。
スライドの文字数は全体的に少なめです。
ただ、文章が長いスライドが何個か見つかりました(後ほど説明します)。
こちらも美しいイメージと配色に気を配っていて聴衆を疲れさせないように配慮されているのと高いメッセージ性で高評価のプレゼン資料です。
(3)All about Beer by Ethos
ビールをプロモーションするプレゼン資料。
製造工程、ビールの歴史とラガービールとエールの違いを美しい画像とわかりやすいテキストで解説してます。
このプレゼンを見るとすぐにビールを飲みたくなること間違いないでしょう。
こういう風に直感的に趣旨を理解できるプレゼン資料を作ることができると良いですね。
いかがでしたか? 良いプレゼン資料はどういう特徴をもっているか何となく感覚をつかんでいただけましたか?
良いプレゼン資料はスライドに
- 美しい彩色
- 美しいイメージ
- 美しいタイプセット(フォント)
- 見やすさ重視
- 少なめのテキスト(例外有り→後述)
を用いる共通点があることをおわかりいただけたことと思います。
また、直感的にメッセージが理解できるのも特徴的でしたね。
あなたの資料もこのようになるように改善を心がけましょう。
英語版プレゼン資料作成時の5つの注意点
パワーポイントで英語版プレゼン資料を作成する時に以下5つの注意点をおさえておくと、
- Visual Hierarchy(ビジュアルヒエラルキー)
- Slide Layout(スライドの流れの確認)
- Typography(タイポグラフィー)
- Color(色使い)
- Decoration(装飾)
プレゼン資料の視認性を高めメッセージの浸透率が爆上がりします。
ぜひ覚えておきましょう。
(1)Visual Hierarchy(ビジュアルヒエラルキー)
ビジュアルヒエラルキー(Visual Hierarchy)は、日本語で「視覚的階層」とも訳される言葉で、伝えたい情報を優先順位毎に識別する発想です。
- 強調したいテキストの色を他と変える
- 同じく強調したいテキストや画像のサイズを他と変える
などのテクニックが良く採用されます。
出展:https://business.tutsplus.com/tutorials/how-to-make-your-powerpoint-presentation-design-better–cms-28172
↑例えば、上の欄だと色彩の違いがよくわかりませんが、下の欄だと明確ですよね?
当たり前のことですが、似たような色使いでは強調したいことがハッキリと伝わりませんので異なる系統の色使いを採用して識別することが大切なのです。
そして、下の2つのスライドは同じメッセージを伝えていますが、明らかにわかりやすさが異なりますよね?
出展:https://business.tutsplus.com/tutorials/how-to-make-your-powerpoint-presentation-design-better–cms-28172
このスライドで1番伝えたいメッセージは、”Improving Our Marketing”(マーケティングを改善する)です。
ですから、そのフォントのサイズは他より大きくなっているのです。
そして、2番目に伝えたいメッセージが、マーケティングを改善するテクニックの数々(箇条書きになっています。)。
また、箇条書きの中に、写真を使ってわかりやすくするというテクニックが記載されていましたので、写真を追加してわかりやすく改善しています。
ちなみにトラックと気球の写真が採用されていますが、
- トラックは意思の強さと精神の強靭さ
- 気球は上昇志向と発展
を象徴し、これらはマーケティング活動で成果を出すのに必須要素です。
このようにスライドに使う画像はそのスライドで伝えたいメッセージを上手にイメージ付けしてくれるものを採用することが大切です。
視覚階層を意識する時に注意すべき12の観点のイメージを下に紹介しますので、よろしければ参考になさってください。
出展:https://digitalsynopsis.com/design/visual-hierarchy-graphic-design-principles/
- イメージのサイズ
- 色彩のコントラスト
- フォントの色使いと大きさ
- 画像の大きさ(空間の使い方)
- イメージの密度
- 余白の使い方
- アライメント(整列)
- ルールオブオッズ-奇数の物体を3角上に並べると見映えが良くなること。偶数より奇数の方が良いとされる
- イメージの多層化
- リーディング・ライン-メインとなる物体を強調し、注目の中心となるように配置するテクニック
- 3分割法(上の画像では、実際に動いている人の場合、Afterの方がBeforeよりわかりやすい)
- 視点
これら12点のビジュアル・ヒエラルキーの原則を採用することでプレゼン資料の見映えが大きく改善します。
(2)Slide Layout(スライドの流れの確認)
(1)で個々のスライドを分かりやすく作るコツを解説しましたが、ここではスライドをどのように配置すればわかりやすくなるかを説明します。
流れを良くするには、次に説明する3つのルールに従ってスライドを配置すると良いでしょう。
①プレゼンテーションの流れを決める。
プレゼンテーションには基本的に3つの流れがあります。
A. 序論→本論→結論
B. PREP法
C. DESC法
これらは好みと目的により選ぶと良いでしょう。
A. 序論→本論→結論
最もよく使われる流れです。
導入部分でプレゼンの目的やプレゼンをする理由を説明し、聴衆に興味を持ってもらいます。
次に本論で、このプレゼンで最も伝えたいこと(要点)を話します。
最後に結論で、プレゼンをまとめます。
B. PREP法
PREP法は以下の順でプレゼンを進めます。
P=Point:プレゼンの結論を述べる
R=Reason:それを伝えたい理由を示す
E=Example:理由の根拠となる具体例を挙げる
P=Point:再度結論を伝え、締める
PREP法では、一番伝えたいことを先に話すことで、聴衆に疑問と興味を持たせます。そして聞き手の要望に応えるように、次に理由や根拠を説明します。
流れがスムーズならば頭に入ってきやすいのでオススメです。
- 結論
- 理由
- 具体例
- 締め
という順で覚えておくと良いですね。
C. DESC法
DESC法は以下の順で話を進めます。
D=Describe:事実や状況を客観的な視点から説明
E=Express:事実や状況に対して主観的な意見を述べる
S=Suggest:解決策・対処法を提案する
C=Consequence:解決策・対処法によって得られる結果を説明する
これは新商品の紹介の時によく使われる技法です。
- 事実を客観的に説明
- 事実に対する意見
- 対策の提案
- 予想される結果
という順で覚えておくと良いでしょう。
日本人のプレゼンテーションでは序論→本論→結論が使われることが多いですが、これはメリハリ が無くてダレやすいという傾向があります。
日本人のプレゼンを良く聞いたことがある外国人からすれば、「またこれかぁ・・・退屈だな」と思われることもありますので、話の流れが頭に入ってきやすいPREPかDESC法が良いと思います。
②①で決めたプレゼンテーションの流れ通りにスライドを並べる
スライドを並べ替える時は、パワーポイントのスライド一覧表示機能を使うと便利です。
[表示]タブを開き、[プレゼンテーションの表示]グループの[スライド一覧]をクリックすると一覧表示画面に切り替わります。
ここでプレゼンの流れ順にスライドを並べ変えてみましょう。
↑のように並べて見るとスライドがプレゼンの流れ通りに配置されているか一目瞭然ですよね。
③②で並べたスライドを整理
整理する時は、
- 流れの確認(ぎこちなければスライドを差し替えたり、削除したり、追加)
- 説明が足らなければ補足情報を既存スライドに追加するか新しいスライドを追加
- 一つのスライドで複数のメッセージを発信しているなら分割
- 誤解を招くスライドは削除
することを心がけましょう。
僕は時間をかけて作ったスライドでもわかりにくいと思えば躊躇せずに削除します。
大切なのは聴衆があなたのスライドを見て疑問をもたないようにすることです。
(3)Typography(タイポグラフィー)
Typographyとはフォントの種類や大きさ、そして配列を工夫することで読みやすさを追求する技術です。
英語のフォントでよく使われるのは↓です。
サイズは18ptが一般的で、タイトルには34pt.
複数のフォントを同時に使用することはあまりオススメしません。
そして色は原則黒色です。
強調したい部分は下線を入れたり太字を使うと良いですが、イタリック体(斜体)は読みにくくなるのでオススメしません。
(4)Color(色使い)
出展:http://competitivecollegeclubrussia.blogspot.com/2019/01/how-to-make-beautiful-presentation.html
色使いによってプレゼン資料が聴衆に与える印象は大きく変わります。
明るい色は活発で遊び心のある感じに対し、暗い色は落ち着いてよりプロフェッショナルな印象を与えます。
恐らくあなたは会社の使命を受けてプレゼン資料を作成されていることでしょう。
そのような場合、会社が定めたコーポーレートカラーがある筈なのでそれをベースに色を決めていくと良いですね。
僕はいつも↓のノンデザイナーズ・デザインブックか、
配色アイデア手帳を参考に
色合いを調整しています。
Adobe Colorを使って色を確かめて見るのも良いですね。
ここでのポイントは、自己流で色を設定するのは良くないということです。
必ず法則や原則に沿ってプレゼン資料の色を設定するように心がけましょう。
(5)Decoration(装飾)
装飾はスライドの視認性を高め印象をガラッと変えることが可能です。
文字のままだと伝わりにくいメッセージでも装飾が明解にすることも珍しくありません。
視聴者がスライドを見てメッセージを一目で理解できるようにするのが装飾の役割ですが、ここでは装飾を使う上での注意点を解説します。
①写真
解像度および独自性の高い写真を用いましょう。
(ご自身で撮影される場合は、”プロの写真の撮り方”のようなキーワードで情報検索して必要な機材の調達や撮影方法を学習した上で撮影に挑んでくださいね。 またはプロカメラマンに依頼されると良いです。)
あなたの個性が光る美しい写真を採用すると評価が高まります。
例えば、envado elementsのように高品質の写真を購入できるサイトから調達されると良いですね。
写真を購入する時のポイントは、
- 有償であること(無料の画像は他で使い回しされてるので独自性が低くなります。)
- スライド(プレゼン)のテーマに合った画像になっていること
- 見映えが良く美しいこと
です。
②イラスト
イラストも写真と同様に高品質なものを選んだ方が良いですね。
などが高品質なイラストを販売していますので、私はそこで購入した画像を加工して使っています。
あと、オリジナリティが必要な場合、イラストレーター やフォトショップで買ってきた画像を加工して使うという手もありますよ。
↓では僕がこのブログでも使っているグラフィックスデザインのテクニックで画像を上手に加工する技術とその教材について触れていますので、ご興味がお有りの方はどうぞ。
③アイコン
アイコンは物事を簡単な絵柄で記号化して表現するもので日本語のプレゼン資料にも良く使われます。
↓のような感じでアイコンに一言二言伝えたいメッセージを添えて説明すればわかりやすいですよね?
出展:https://business.tutsplus.com/tutorials/how-to-make-your-powerpoint-presentation-design-better–cms-28172
Graphicsriverのものが比較的良く使われています。
④チャート・グラフ
↓はチャートの一例です。
チャートとグラフは情報の可視化を容易にします。
上のチャートは創造的になるための8つのやることリストを絵で表しています。
- コンピューターから離れる
- ルールに従わない
- 書く
- たくさんの創造力が豊かな人達とつきあう
- 作業場の整理整頓
- 何かを最後までやり切る
- 新しい音楽を聞く
- 行ったことが無い場所に旅行する
と箇条書きにするよりも上に貼ったチャートの方が絵でわかりやすいですよね?
複雑な事柄や長い説明を一目でわかるようにするのがチャートやグラフの役割です。
ただ、チャートやグラフを採用する時には以下3つの注意点があります。
A. 見やすいチャート・グラフを使う
B. 多用しない
C. 文字を詰め込まない。
チャートとグラフは多くの情報を一度に伝えることができて便利なため、多くの人が多用する傾向にあります。
ただ、たくさんのチャートやグラフを使うとメリハリが効かなくなり、重要な情報がその他の情報と一緒になり埋れてしまいます。
ですから、ここぞというタイミングでのみ使用するように心がけましょう。
⑤映像
商品の機能や性能を説明する時、動いている様子を見せた方がわかりやすいことがありますが、そういう時に限り映像を使うことをオススメします。
↓はナレーション付きの高品質な映像です。
エスプレッソマシンの使い方がこれでよくわかります。
文字やイラストだけだと説明が大変で、映像の方がわかりやすいものは積極的に活用すべきでしょう。
⑥画面の切り替え(Transition)やアニメーション
↑では一枚のスライドが折り鶴の形になって次のスライドになる様子が映されています。
遊び心があって見てると楽しいのですが、(日本語でもそうですが)英語のプレゼン資料で画面の切り替えやアニメーションを採用することはあまり評価されませんのでやめておいた方が無難です。
それでは、実際に資料を作成していただく前に、模範的なプレゼンをご覧ください。
模範的な英語のプレゼンテーションの事例
冒頭でもお伝えしましたが、このプレゼンテーションではスライドをあくまでも補助資料として活用しています。
ここではTEDで発表された「人々が傾聴するための話し方」のプレゼンを例に良いプレゼンとは何か?を解説いたします。
まずは以下の動画をごらんください。
ここで使われていたスライドは以下の通りです。
約10分間のプレゼンでたった数秒チラ見せしたのがあれば、数分間に渡って説明されたものもありました。
一つのスライドで「何分間話さなければいけない」とか「どれだけ文字数を埋めなければならない」という制約条件はないのです。
大切なことは聴衆にあなたの主張を理解し納得してもらうこと(そしてcall to actionに反応してもらうこと)です。
これらを頭の中に入れて資料を作り、プレゼンの練習に時間を割くようにしましょう。
それでは最後に、実際に英語版プレゼン資料の作り方を解説します。
パワーポイントで英語版プレゼン資料を作成する7つのステップ
パワーポイントで英語のプレゼン資料を作る時のステップは大きく分けて7つです。
一つずつ解説します。
(1)最初にプレゼンで伝えたいメッセージを決める
あなたがプレゼンで一番伝えたいメッセージを決めましょう。
このメッセージはプレゼンの根幹となりますので、これがハッキリと固まらないと、聴衆は「何が言いたかったかよくわからなかった」という感想を持ってしまいます。
また、あなた自身が「スライドを作成したいけど作れない」「スライドを作成してみたけど、あれもこれも取り入れすぎて収集がつかなくなった…」となり、後で困ることも避けたいですよね?
そういった状況に陥らないで済むようにプレゼンで最も伝えたいメッセージを一つだけ最初に決めるのです。
意外とこれを決めるのに時間がかかりますので余裕をもって作業にかかりましょう。
(2)骨子を作る(記事構成をする)
骨子とはプレゼン資料の設計図です。
また、記事構成という言い方もします。
具体的には、(1)で決めた一番伝えたいメッセージを細かく噛み砕いたメッセージの箇条書きを作成する作業を指します。
言いたいことが網羅できているか確認しましょう。
全ての言いたいことが書かれていれば完成です。
(3)骨子を基にドラフト版のスライドを作る。
1枚1メッセージの原則でスライドを作成しましょう。
この時に注意するのは、
- 色やフォントは凝ったものを使わない→後で調整するから(黒でシンプルなものに)
- 写真やイラストなどの画像は載せない(必要なものを一覧表化する程度にとどめる)
一枚のスライドに一言ずつメッセージだけを書くのもわるくありません。
(4)(3)で作ったスライドの流れを確認する。
スライドを確認して流れがおかしくないか確認しましょう。
その時に実施したいのは以下の3点です。
- 不足している情報の追加
- 混乱する情報の修正
- 余分な情報の削除
そして流れがおかしくなくなれば、スライドに色や画像を取り込んでいきましょう。
(5)個々のスライドを色付けする
スライドの流れができれば、色や画像を加えていきましょう。
最初に画像やイラストを収集し、その後で作成すると作業が早いです。
色使いやフォントのサイズ・種類も作業に入る前に決めておくと良いですね。
(6)もう一度見直す
(5)でできたスライドを並べて流れを確認しましょう。
この時点で、実際にプレゼンテーションの練習をしながらスライドの流れを確認するとよいですね。
リハーサルをしてみて、話しにくいと思えば修正が必要です。
その際、繰り返しになりますが、
- 情報が足らなければ、新しいスライドを間にいれるかスライドに情報を追加する
- 混乱する情報があれば、わかりやすく修正する
- 余分な情報は削ぎ落とす
ことを心がけましょう。
あと、忘れがちですけれども、資料に書いた英文は必ず確認しましょうね。
文法間違い・誤字脱字ってよくあるのですけれども、本当に恥ずかしいです。
↓では、オススメの無料英文チェックツールを解説しています。パワーポイントでも使える仕様のものもありますので確認しておきましょう!
(7)完成させる
一通り(6)の作業が終わるとプレゼン資料の作成は完了で、ここからプレゼンの練習に本格的に入っていただきます。
ただし、スライドの修正作業はプレゼン当日まで続くこともあります。
資料が完成するまでプレゼンを練習せずにいると質の低い仕上がりとなるのが自明です。
ですから、一通り(6)の作業が終われば一旦見切りをつけてプレゼンの練習に入りましょう。
繰り返しになりますが、資料よりもプレゼンテーターのパフォーマンスの方が重要です。
実際に練習をやってみてうまく話せない箇所は、
- スライドそのものを削除
- 場所を前後に入れ替え
- 他のものと差し替える
と言った、修正を大胆に加えることが必要になります。
あと、大事なことなのでもう一度繰り返しますが、プレゼンの目的は「聴衆にあなたの伝えたいメッセージをわかりやすく説明し、CTAに反応してもらうこと」でしたよね?
- CTAが最後に入っているか?
- わかりやすくCTAが伝わるか?
も仕上げの時に確認しましょう。
その他英語のプレゼンを上達するテクニック6選
ここで英語のプレゼンを上達させるテクニックを6つ紹介します。
(1)スライドを読まない
↑は東洋人のプレゼンで良くある風景です。
完全にスライドを読んでいますよね?
これは悪い例です。
プレセンターは聴衆の方を向いてコミュニケーションを取りながらプレゼンを進めるのが鉄則です。
(2)大切な説明は口頭で伝えること
当然、こんな状態だとプレゼンテーターのメッセージは頭に入りません。
良い英語のプレゼンにするには、スライドはシンプルなものに仕上げて、口頭で熱量を持って丁寧に説明することをこころがけましょう。
(3)箇条書きは6つ、階層は2段階まで
↑のスライドのように、箇条書きは6つ、階層は2段階以上設けないようにしましょう。
これ以上情報を増やすと見にくくなります。
(4)できるだけ短くわかりやすい単語を使う
↑上のように書く分には問題が無いけれども口であらわすには簡単になる言い回しの単語がたくさんあります。
日本語でもそうですが、口語体ではシンプルでわかりやすい言葉を選ぶ方が喜ばれます。
意識的に短くてわかりやすい単語を使うように心がけましょう。
(5)ハッキリ聞き取れるように話す
一般的な日本人の英語は英語が母国語の人にとって、なまりがきつめで聞き取りにくいです。
そんな中、ほとんどの英語が母国語の人間は我慢強く「聞き取ろう」という姿勢で聞いてくれます。
そういった聞く耳を持つ聴衆に対してプレゼンテーターは意識的に以下をこころがけて話すと良いプレゼンになります。
- ゆっくり話す
- 若干大きめな声で
- ハッキリと話す
どもったり、早口で話さないようにしましょう。
(6)聴衆とコミュニケーションをとりながら話す
良いプレゼンテーションでは
- アイコンタクト
- 身振り手振り(ジェスチャー)
- にこやかな表情
をプレゼンテーターが実践し聴衆とコミュニケーションが取れています。
これらが全てできるとあなたの英語のプレゼンは完璧になります!
英語プレゼン用パワーポイント資料作成7つのステップまとめ
英語のプレゼンテーションは日本人相手と同じ要領で行うと失敗します。
欧米人が評価するプレゼンを行うには、必ず大原則に鑑みることが大事で、以下5つの点に注目して資料を作成することが大事です。
- Visual Hierarchy(ビジュアルヒエラルキー)
- Slide Layout(スライドの流れの確認)
- Typography(タイポグラフィー)
- Color(色使い)
- Decoration(装飾)
そして↓の7つのステップ順に資料を作成すると理想的な資料ができあがることでしょう。
他にもプレゼンを行う上での6つのテクニックや理想的なプレゼン資料に優れたプレゼンの事例も紹介しました。
この記事を何度も読み直して、ここに書かれた通りにスライドを完成させ、プレゼンで話す練習をなさると必ず良い反応を受けられるようになっていただけます。
最初は日本語版と勝手が異なり戸惑われることもあるかと思いますが、慣れればそんなに難しいことではありません。
この記事によって、あなたのプレゼンスキルが大幅に改善されることを祈っております。
そして、もしあなたが英語のプレゼンを行うにあたってプロに見てもらいたいとのことでしたら、お気軽に弊社にお声がけくださいね。
時間をかければ独力でもできると思いますけれども、僕の経験上プロから直接指導を受けた方が短期間で劇的に上達しますけれどもね。
いろいろな選択肢があると思いますので、あなたに合う方法でプレゼンに挑んでください。
ご健闘をお祈りしています!
この記事を読むのに必要な時間は約 1 分です。
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