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ビジネスに用いる英語の書類は日本語で書くものとほとんど同じですが、中には書く内容や中身の順序が異なるものがあるので注意が必要です。
うっかり日本語同様に書類を作成したところ、お客様から質問・クレームを大量問い合わせされることになり、その対応に収集がつかなくなったり信用を失うことで取り引きに悪影響がでた・・・なんてことはたまに聞きます。
実際、弊社のクライアントに最近なっていただいた老舗玩具メーカーのA社は、(弊社と取引を開始する前に)日本語を英語に直訳してそのまま書類を作成しお客様に送付したところ、お客様が激怒しあわや失注しそうになって大騒動になったそうです。
あなたには
- 英語の書類の作成で失敗して欲しくない! そして
- 書類の最終チェック段階である校正作業の注意点を理解していただき、業務に役立てていただきたい!
そう考え、私、一條 彰(詳細)が、以下英語の書類各種の作成および校正作業中に注意する点をこの記事で説明させていただきます。
- 電子メール・手紙
- 会議資料
- お礼状
- プレゼン資料
- スピーチ原稿
- 会社案内
- 製品カタログ
- プレスリリース
- 各種申請書類
- 年次報告書
- 履歴書・CV・カバーレター
- 契約書
- Webコンテンツ
- プロモーション用動画
- ビジネススクール用エッセイ
- メニュー
なにか、わからないことがあれば、お気軽に↓のフォームからご質問くださいね。
英語の書類各種とそれらの校正作業中の注意点
ここでは、ビジネスに用いる英語で作成された文書各種の特徴と、校正を行う際に何に注意すれば良いか?を箇条書きにしました。
(1) 電子メール・手紙
日々のコミュニケーション・ツールとして使われる文書です。
面識がある相手とやりとりを行う場合、特に校正をかける必要はありません。
一方で、相手と感情的にこじれてしまった時や複雑な内容を送信する際には、正確で繊細な表現にしあげられる校正のプロに依頼をかけられることをオススメします。
校正者は
- 作者が伝えたいことが読者に正確に伝わるか?
- 情報に漏れがないか?
の2点で注意が必要です。
(2) 会議の議事録・会議で使った(使う資料)
ゲストを招いて開かれた会議に用いる資料やその時の記録。こちらも通常は校正にかける必要はありません。
正式な記録として残したい時やお客様にアピールしたい時に外注しチェックしてもらうと良いでしょう。
校正者は
- 情報に漏れがないか?
- アピールしたいことが読者に伝わるか?
- 議事録や資料が英語の書式に沿っているか?
- 読者に違和感を与えないか?
の4点で注意が必要です。
(3)お礼状
大切なお客様に感謝の意を表明する手紙です。
たまにパーソナルな内容を書くこともありますが、そうでなければ、Thank you letter sampleやThank you letter formatなどでネット上で検索し、雛形を加工して作成すれば良いと考えます。
センシティブなメッセージを書かないならば、一般的に校正の外注は不要です。
校正者は
- 宛名が間違ってないか?
- 何について述べているか明確か?
- 感謝していることが伝わるか?
の3つの点で注意しましょう。
(4) プレゼン資料
プレゼン資料とは、ほとんどの場合パワーポイントで作られており、
- 会社の説明
- 商品の説明
- 問題解決の説明
- 今後の計画の説明
- 決算発表
など内容が異なればそれぞれ達成したいゴールが異なるため、目的ごとに校正作業で注意する点が異なるので注意が必要です。
社外に発表するものであれば、校正を外注されることをお勧めします。
校正者は
- フォントの種類・大きさ
- メッセージが最小の文字数にまとまっているか?
- 話の流れがスムーズか?
- メッセージは明確か?
- 資料に使われている色やイメージが相手にとって不快になっていないか?
の5点で注意が必要です。
(5)スピーチ原稿
スピーチ原稿は英語でSpeech scriptと言います。
会社業績の発表など社外向けで作られるものがほとんどです。
大統領のスピーチにも専属のライターがおられる様に、これを書くには相当な技術が必要です。
一方で、日本人が拙い英語で一生懸命怪しい文法で必死に訴えると、一般的に欧米人は一生懸命聞こうとしますので、内容が素晴らしければ自作のままの方が良い場合もあります。
自作のもので問題がないか判断するのにサポートが必要なら、外注業者を利用しましょう。
校正者は
- 伝えたいメッセージが明確か?
- 会話調で話しやすい様に書かれているか?
- 抽象的な表現を避けてわかりやすく書かれているか?
- 事例や事実関係が明確か?
- 説得力があるか?
- シンプルな表現になっているか?
の6点で注意しましょう。
(6) 会社案内
広報担当者が作成する資料で書式はほぼ決まっています。
日本語の会社案内を英訳されたものがほとんどですが、中には会社の歴史の様に箇条書きではなく物語風に修正する箇所もあるので注意が必要です。
社外で使う用途がほとんどですので校正は外注されることをオススメします。
校正者は
- 記載内容が日本語のものと同じで漏れがないか?
- 日本語を訳したものだと英語圏の読者に誤解をあたえないか?
の2点で注意が必要です。
(7) 製品カタログ
今から製品を購入するお客様にお見せする資料です。
商品の魅力を訴求するための情報を記載します。書式はほぼ決まっています。
こちらも社外で使う用途がほとんどですので校正は外注されることをオススメします。
校正者は
- 製品の仕様や性能など客観的なデータが揃っているか?
- 魅力や長所が明確で短いフレーズで端的に読者に伝わるか?
- 誇大広告、他社の誹謗・中傷、事実と異なるデータ、差別表現、公序良俗に反するなど問題がある箇所がないか?
の3点で注意が必要です。 なお、国内と海外向けで求められる情報や単位が異なる場合もあるので注意が必要です。
(8) プレスリリース
広報担当者が作成する資料でメディアを通じて社外に自社の活動、新製品、事故・事件への対処方針などをPRすることが目的です。
書式は決まっていますが日本語と英語で若干情報の配列が異なるので注意が必要です。
これも社外に発表するための資料ですので校正は外注されることをオススメします。
校正者は
- タイトルで何をPRするか明確になっているか?
- 要約文は簡潔でわかりやすいか?
- 見出しはタイトルを補足する内容で明確か?
- 会社名・日時・連絡先の情報はそろっているか?
- 情報は正確で誤解を生む内容になっていないか?
の5点で注意が必要です。
(9)各種申請書類
各種申請書類とは、政府機関や学校組織などから許可をもらうために、先方が指定したフォームに必要項目を記入して提出することが必要です。
記載内容によっては、あなたの活動に支障をきたすこともありますので、自信が無ければ、校正は外注されることをオススメします。
校正者は
- 単語に間違いがないか?
- 綴りが誤っていないか?
- 表現が公的な文書として適切か?
- 必要な情報が全て書かれているか?
- 申請に際して有利な情報でアピール性が高くなっているか?
の5点で注意が必要です。
(10) 年次報告書
企業が活動内容を投資家や取引先に報告することが目的です。広報担当者が作成する資料で書式は決まっています。
これも社外に発表するための資料ですので校正は外注されることをオススメします。
校正者は
- 会社がおかれた状況(財務、雰囲気など)が明確で投資家に安心感を与えられる様になっているか?
- 成果が明確になっているか?
- イメージや写真が十分か? 足らない情報は無いか?
- フォントや色使いはクリアで読みやすい状態か?
の4点で注意が必要です。
(11) 履歴書・CV・カバーレター
就職活動で応募者が入社を希望する企業に提出する書類です。
英語と日本語で内容と書式が異なるので注意が必要です。
万全を期すためには校正を外注されることをおすすめします。
校正者は
- 英語の書式に沿った作りになっているか?
- 必要な情報がすべて書かれているか?
- 応募者の強みが明確で、採用者が会いたいと感じるアピール性の高いメッセージが含まれているか
の3点で注意が必要です。
(12) 契約書
利用規約、NDA(機密保持契約)、ライセンス契約、売買契約と様々な種類が存在します。大企業のものとなると複雑で電話帳の様に厚くボリュームが大きいものも存在します。
法務部に所属して毎日の様に書類をチェックしてきた人や士業の先生方の様に法律に精通しておられ、英語版の契約書書式に慣れている方でないと校正は難しいです。
できれば、弁護士事務所か法律の書類を専門的に校正している業者さんに外注されることをおすすめします。
校正者は
- 誤字脱字
- 記載内容が依頼者の希望通りになっているか?
- 記載内容に漏れ・矛盾がないか?
- 契約書が相手の準拠法に沿った内容となっているか?
などで注意が必要です。
弊社では内容に責任を持てないので契約書の校正サービスを提供しておりませんが、この分野を専門に校正をおこなっている業者さんや士業の先生に依頼するのが一般的です。
(13) Webコンテンツ
Webコンテンツには大きく分けてホームページやブログに書かれたテキストとYouTubeなどに使われる動画の2種類が存在します。
どちらも誤字・脱字などに注意して校正することが大切ですが、文法や綴り、表現力以外にプルーフリーダーがどれだけSEO知識を保有しているかによって訪問者数(もしくは視聴者)の数が大幅に上下することが特徴です。
せっかくブログ記事やYouTube動画を作成しても、訪問者数(視聴者数)が少なければこれまでの労力が報われませんのでSEO知識を持ち英語の編集力が高い校正作業者に外注することをオススメします。
校正者が特に注意すべき点は
- 情報が良質でSNS等などで拡散したくなる様に上手に編集されているか?
- キーワードを用いて検索する訪問者への回答がコンテンツに含まれているか?
- キーワードが上手く十分な数コンテンツに記載されているか?
- Webコンテンツが集客、売り込み、販売などどの目的を達成することが目的でそれを果たす内容となっているか?
・・・などです。
Webコンテンツの校正は、他とは異る特徴を持っていますので、従来の英文の校正業者に依頼されても期待されるアクセス数増加で成果がでないことがほとんどです。
校正者を選ぶ際、今までの実績(ホームページやブログ)を確認され、
- どのキーワードで上位ランキングをとられたか?
- どうやってその上位ランキングをとることに成功したか?
- キーワード選定はどうやっておこなったか?
といったことを確認し、納得された上で依頼をかけられることをオススメいたします。
Webコンテンツの校正者の選び方詳細はこちら
(14)プロモーション用動画
プロモーションとは、コミュニケーションの一部で、消費者の意識や関心を高め、購買や購入などの行動を促すメッセージです。
一般的には広告のプロにプロモーション用動画を作らせる方が良いものができあがります。
視聴者にわかりやすいメッセージが伝わる様に広告業界での勤務経験を持つ方に外注されると良いでしょう。
校正者が特に注意すべき点は
- 商品やキャンペーンに対して注意喚起できているか?
- 購入や問い合わせなどの行動をとってもらえる様になっているか?
- この動画を流すことで視聴者に良い印象を持ってもらえるか?
の3点です。
(15)ビジネススクール用エッセイ
IVYリーグを筆頭に名門大学の大学院でMBAを取得することであなたの社会的評価は高まります。
トップスクールともなると卒業生は年収1千万円超えは当たり前で引く手あまたとなることから、入学難易度が高く、志願者の魅力があふれるメッセージが説得力をもって上手にまとめあげられたエッセイの提出が合格するために必要不可欠です。
MBAに入学するための予備校があるくらいで、生半可な取り組みでは書類選考を突破することが困難です。
希望する大学院に入学したいなら、校正作業を外注することは必須です。
校正者が特に注意すべき点は
- 誤字脱字・文法上のエラーが全くないこと
- 入学を希望する学校が求めるアピール文言が書かれているか?
- 書類選考を突破するために志願者の強みが他者と差別化ができていて魅力的な内容となっているか?
の3点です。
(16)メニュー
インバウンドで来日する旅行者が増えたため、外国人のお客様が注文をしやすくするために英語で表記されたメニューを用意するレストランも珍しくなくなりました。
おいしい食事のひとときを快適で楽しく過ごしていただくため、英語版メニューはあった方が良いですが、もし作るとしても特に難解な表現は不要で写真と簡単な英文で書けば良いと思われます。
高級レストランや外国人の間で人気のお店ならば校正を外注依頼することで信頼度が高まり口コミで多くのお客様の訪問を見込める様になるのではないでしょうか?
校正者が特に注意すべき点は
- 日本語をそのままローマ字表記しても伝わらないので適切な英語での説明文言を採用すること
- 宗教や個人的価値観で肉などの素材で食べられない人もいるので材料を書いてあげると親切
の2点です。
まとめ
ここでは、
- 電子メール・手紙
- 会議資料
- お礼状
- プレゼン資料
- スピーチ原稿
- 会社案内
- 製品カタログ
- プレスリリース
- 各種申請書類
- 年次報告書
- 履歴書・CV・カバーレター
- 契約書
- Webコンテンツ
- プロモーション用動画
- ビジネススクール用エッセイ
- メニュー
の作成と校正時の注意点をざっと説明しました。
校正は独力でやろうとすると(経験の浅い方は)必ずと言って良いほど良い低品質の書類にしあがってしまい、残念な結果になってしまうことが珍しくありません。
確かに独力で書類を完成させる姿勢は大事ですが、目的が達成できないと努力が無駄になり結果的にあなたにダメージとなり跳ね返ってきます。
僅かな費用をケチって目的を達成出来ないよりは、校正のプロの手を借りて最善を尽くすのも悪くない選択肢ではないでしょうか?
費用対効果については個人ごとに英語力に差があると思いますから、どちらが良いかはあなたご自身で考えてみてくださいね。
この記事を読むのに必要な時間は約 1 分です。
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