この記事を読むのに必要な時間は約 17 分です。
こんにちは 一條 彰(詳しい経歴)です。
英語の書類を作成するのって難しいですよね?
私は16歳から30年以上英語で読み書きをしてきましたが、未だに学習することがたくさんあります。
知らない単語が出てきたり、イレギュラーな文法のルールがでてきたら何時間もかけて確認して業務が止まることもあります。
そんな難しい英語の書類を作成する上で、今日は知っておくと英語のライティングがメチャクチャ上手になる文体のルールについて解説させていただこうと思います。
このルールを熟知しライティングに活かすことで、読者の反応は大きく変わります。
あなたも洗練された英文を書く技術を身につけて、
- 第一志望のビジネススクールに入学が認められる
- 憧れの超優良企業に転職が決まる
- 新規顧客開拓に成功する
- 売り上げが爆伸びする
- 壊滅的な人間関係から友好的なものに修復する
ことが実現できる書類(含む履歴書、Linkedin プロフィールなど)を書ける様になりたくありませんか?
文体をマスターしさえすれば、好感度が高まる書類を作成することであなたの希望を実現するのも夢ではなくなります。
この記事ではそんな文体の
- 概要
- ルール
- を使って文章を書く具体的な方法
について徹底解説しています!
あなたが探している情報がこの記事から必ず見つかりますので是非さいごまでお読みくださいね。
英語の文体について1点だけ気をつけて欲しいこと
英語で文体をwriting styleと言います。
実はwriting styleと言う言葉は多義語で、様々なものを指すので辞書などで調べる際に注意が必要です。
多義語とは、同じ言葉でも文面によっては、まったく異なる意味を指す言葉を指します。
例えば、養生(ようじょう)という言葉があります。
これは、
- 生活に留意して節制して健康の増進を図ること、と
- 建築・引越しなどの作業中に、先に完成した部分など作業の対象物の周辺物を汚損や傷から護ったり、コンクリート施工などで作業対象物が順調に望みの状態になるようにあらかじめ手を打っておくこと
と言った2つの意味がありますが、全く意味が異なりますよね?
writing styleについても、今、解説している文体だったり、作風だったり、書類の書式・雛形だったり・・・大まかに分けて3つの意味があるので、注意が必要なのです。
辞書などでwriting styleについて確認している時に、あなたが見ている項目が文体を説明しているのか?間違えない様に確認することが大切です。
英語の文体とは-概要編
文体とは言葉の選択、文章の構造および文節の構造で読者に最もわかりやすく伝える技術を指します。
わかりやすく伝えるには、文章を簡潔で明確且つ説得力があるように書かなければなりません。
また、読者に最後まで快適に読んでもらうために、興味を誘い、退屈させない内容となっていることも不可欠です。
読者は文章を読むことで作者の個性及び作者の書く技術や知性を感じ取るので、あなたが書いた文章が洗練されていたら、それだけで好感を持っていただけます。
「ペンは剣より強し」と昔の言葉にありますが、文章がうまいと読者の心を開きあらゆる便宜を図ってもらえるのに対し、逆に下手だと好感度が下がり最悪嫌われてしまうこともあります。
そのため、英語で書類を作成する時は、文体に気を付けることがとても大切なのです。
具体的な英語の文体のルール
英語の文体にはどういったルールがあるのでしょうか?
箇条書きにしてみました。
上でも説明いたしましたが、文体は
- 言葉の選択
- 文章の構造
- 文節の構造
に適用されるルールです。
わかりやすい言葉を選択するには
わかりやすい言葉を選択するには、(人によって好みが異なりますが)できる限り一般的な言葉を選ぶのが良いとされます。
効果的な言葉遣いをするために実施すべきこととは以下の通りです。
- 言葉の選択肢に迷えば、辞書や類語時点で調べた言葉を使う
- 一般的な表現を選ぶ(スラングや丁寧すぎて慇懃無礼となる単語はアウト)
- 代名詞は極力使わない
- *冗長(余分)な表現および迂言法(遠回し)は避ける
- **陳腐な表現(決まり文句)も避ける
- ***専門用語(隠語)も避ける
- ****死語、時代遅れの表現は避けて勝手に言葉を作らない
- スラング、方言、標準ルールから外れた英語を使用しない
- 修飾語は避ける(例.reallyとかsurprisinglyとか)
- *****大袈裟な言葉はダメ
- 非常識な言葉遣いもダメ
- 不快な言葉、性差別的な言葉はダメ
- 何通りにも取れる表現(多義語)は避ける
- ******具体的な表現をする単語の使用
- 正確且つ論理的な単語使いを心がける
- 否定する単語は避けて肯定的な単語を
- *******メタファー(暗喩・隠喩)は使用しない
- 固有名詞(例. a car → Porsche 911) を使う
- 話し言葉は使わない
*冗長とは無駄な表現を指します。 例. Free gift→贈り物自体が普通は無料なので、それに無料と形容詞をつけるのは無駄です。この場合、Giftだけで良いです。 迂言法とは回りくどい表現です。例えば、宗教家は神(God)のことをOur Father who art in Heavenと書いたりします。単純にGodと書いた方がわかりやすいですよね?
**クリシェー(cliché)とも言います。日常的に多くの人が繰り返し使う表現です。例えば、注意深く言葉の意味を読み取ることをRead between the linesと言うことがあります。でも、これ、Read carefullyと書けば直接的でもっとわかりやすい表現になりますよね? 特にビジネスで用いる文書には、clichéよりもストレートな表現が評価されます。
***ジャーゴン(jargon)とも言います。特定の人にしかわからない用語です。例えば、トヨタ自動車では試作型で作る部品を号試と呼びます。しかし、外部の人にはそれが理解できません。英語だとDue Dilligenceという言葉がありますが、これは一部の人しか知らない専門用語です。[企業Aが企業Bを買収する前に企業Bのことをあらゆる角度から検証して購買の是非を判断する活動(putting effort into research before making a business decisionという意味ですが)を指します。]専門外の人にわからない言葉は避ける方が良いのです。
****死語とは日本語だと”チョベリバ”、”○○ナウ”のような少し前に流行ったけれども今は使われない時代遅れの言葉です。例えば、California Widowという言葉があります。これは、離婚はしていないけれども夫と離れて住んでいて夫婦生活が破綻している女性のことを指します(18世紀のゴールドラッシュの時に一山あてようとたくさんの男性が家族をおいてカリフォルニアに向かったことに由来)。でも、今こんな言葉を使うと変に思われます。時代にマッチしていない言葉は使用しない方が良いのです。
*****ファンシー・ワードとも言います。例えば、混乱させるという言葉に、Discombobulateという単語があります。こんなよく知られていない単語よりは、confuseと書いた方が明確です。わざわざ多くの人が知らない難解な言葉を使うよりは一般的な言葉を使うことをここでは推奨しています。
******具体的とは、抽象的の正反対の概念です。例えば、She has beautiful eyes.というのは抽象的な表現に対して、She has big, blue eyes.と書けば具体的です。「愛、恋、幸せ、美しい、おいしい」と言った目には見えない状態や感情、概念をあらわすものが抽象的なのに対して具体的とは、「青い、硬い、高い、大きい」と言ったものを指します。文体では具体的な言葉がより評価されます。
*******メタファーは日本語でも使うことがあります。白い肌の持ち主を「雪のような肌の持ち主」と表現しますが、それは白いという意味を強調するために使用する言葉で実際に雪のように冷たい肌を持っている人を指すわけではありません。例えば、I’m feeling blue.はメタファーで、実際は、I am very sad.となります。文体ではメタファーを使用しない方が評価されます。
わかりやすい文章を書くには
わかりやすい文章を書くとは、正しい文法や綴りで文章を書くだけではなく、個々の文章で一つのメッセージが明確に伝わる状態にあることを指します。
読者が混乱したり、ストレスを感じて考え込まない様にするには、以下の工夫ができます。
- 関係ない情報は省く
- 断定的な表現を用いる(言い切る)
- *能動態を用いる
- 考えがまとまる様に心がける
- 大切な言葉、フレーズ、文節は繰り返してその重要度をアピールする
- 前後の情報に繋がりがある様に、そして前の情報が後ろの情報を補完する
- 重要な文章が重要であることを補完する文章が明確にする
- 文章を続ける時は、単調にならないように心がける
- 一つの文章に複数のアイデアが入らないようにする
- 主張したいメッセージは、それに親和性が高い文章に補完させる
- 主張したいメッセージを補完する文章は主張したいメッセージと相反しない内容となっている
- 補完する文章は主張したいメッセージと似た内容となっている
- 簡潔に、でも必要な言葉は省かない
- 主張するメッセージだけを書かない(必ず、主張したいメッセージを補完する文章も書く)
- 文章の順序と複雑さに変化を持たせて読者を飽きさせないようにする
- 単調にならないように文章の長さが均等にならないようにする
- 文章に一貫性を持たせる
- 繰り返すことで鬱陶しく感じる表現はさける
- 文章全体のリズム感を大切にする
- **並列構造を用いる
- 関連する言葉はひとまとめにする
*能動態とは受動態でない文章です。 例. 能動態: A painter draw a portrait of Mr. T. 受動態:A portrait of Mr. T was drawn by the painter.
**並列構造とは、I like Ramen noodles, Pad Thai and Mt. Fuji・・・の様な構造の文章です。上の場合、ラーメンとパッタイ(タイの焼きそば)と富士山が好きとなっているのですが、食品と地名が同じ様に並んでいると変ですよね? 並列構造を知らない人なら、I like Ramen noodles, Pad Thai and visiting Mt. Fuji.と書きそうです。でもこの書き方だと並列構造にならないのです。並列構造にするなら、I like eating Ramen noodles and Pad Thai, and visiting Mt. Fujiと書きます。 動名詞(〜ing)の形を統一することでわかりやすくなります。
わかりやすい文節(パラグラフ)を書くには
文節は文章がいくつも組み合わさったもので構成されます。
そして、ご存知のように、作文はパラグラフで構成されます。
言葉が組み合わさったものが文章になり、文章が組み合わさったものが文節になるわけですが、ここではどの様に文章を組み合わせていくとわかりやすい文節が出来上がるのかを説明いたします。
- 一つの文節では一つのメッセージのみ発信することを心がける
- メッセージを訴える(強調する)ことを心がける
- 持続性のある組み立て方をする(文章の途中で主張したいことが変わらない様にする)
- 次の文節と上手くつなぎ合わせるように工夫する
- 文章を上手に組み合わせて一つの文節を作ることを心がける
- 単調にならないように文節の長さをひとつひとつ変える
- 一般的なことと細かな詳細に関する情報は文節を分けて書く
- 読者が退屈にならないような構成を心がける
- 最初の文節で読者を惹きつける
- 最後の文節で読者に強い印象を持ってもらう
- 読者を惹きつけるためにあなたの個性があらわれる文節の組み立て方をする(最初と最後は上記の通りですが、途中の文節でどの様に表現するかによって個性がでてきます。)
これ知ってるとチート:文体向上実践術
文体を向上するには、とにかく書いて書いて書きまくって・・・というライティングの訓練が必要で一朝一夕に身につくわけではありませんが、これまでに解説した技法を使いこなすことができれば、著しく文体が向上すること間違いありません。
一方で、そんなに時間をかけてライティングの訓練を受けられないし・・・とおっしゃる方には僕が良く使っているチート術をお教えします。
そのチート術とは、あなたが書きたいと考えている書類をGoogleで検索し、そこから文章を借りてきて自分用にカスタマイズする方法です。
ネットの普及で英語の文章や書類って本当に簡単に手に入る様になりました。
例えば、あなたが契約書を書きたいならネット上で英語の契約書を検索してそこから借りた文章を加筆修正して使えば良いのです。
ネット上で書類を探してきて文章を加筆修正する方法についてくわしくは↓
リンク(現在準備中)
ただ、検索の仕方によっては、理想とする文章を英文で探し出すことが困難な場合があります。
そう言った時には、他の似たような文献を探して、そこから英文を拝借する方法があります。
実を言うと、英文には大まかに分けて4つのスタイルがあるのですが、あなたが作成している書類が、以下のどれに属しているかを判断し、その属に所属している書類をネット検索して文章を借りてくると比較的簡単に良い文章を作成することが出来る様になります。
1.Expository(解説文)
Expositoryスタイルのライティングは、物語の様に感情の起伏を促すものとは異なり、事実関係をトツトツと述べる説明調のライティングです。
- 新聞の記事
- 教科書
- マニュアル
- ノンフィクションの小説
- 料理のレシピ
- テクニカルライティング
- ビジネス用ライティング
- サイエンス用ライティング
- Wikipedia
・・・といったものに使用されます。
僕はマニュアルを書いた後、料理のレシピを見て、対象物は異なるけど文章の構造は同じだなと驚いたことがあります。
最もビジネスで使うライティングですので、ビジネスマンの方は上にあげたライティングを勉強なさると良いですね。
このスタイルの特徴は、
- 事実関係を立証するためにソースや引用先、データをあげること
- 端的にトツトツと書き出来る限り、シンプルな文章で読み手に負荷を感じさせないようにすること
です。
2. Descriptive (叙述的)
叙述的な文章とは隠喩や暗喩、形容詞に形容動詞を多用し感情を表現する文章を指します。
例えば、
- 詩
- 日記
- 思想書
- 哲学書
- ネイチャーライティング(自然環境をめぐるノンフィクションライティング)
ビジネスに用いる文章からは最も遠い位置にあるものがこれです。
ただ、英語力を高めるためには、こういった書籍を読むと単語力がつくのでオススメではあります。
3. Narrative (物語調)
ストーリーテリングとも言うこのスタイルは、
- 小説
- クリエイティブなノンフィクションの物語
- 映画の脚本
- 伝記
- 神話
などに使われます。
こちらも、ビジネスに用いる文章からは遠い位置にあり、英語力を高めるためには、こういった書籍を読むと単語力がつくのでオススメではあるライティング・スタイルであります。
4. Persuasive(説得調)
説得調とは、読者を説得するために用いられるスタイルのライティングです。
問題提起に対して証拠を提示し自分の考えがいかに正しいかということを説明するのに使われます。
このライティング・スタイルは、
- 学術用の論文
- 広告
- 商品のレビュー
- カバーレター
- 推薦書
- 嘆願書
- 申請書
・・・といった類のものに使用されるため、ビジネスでも使用する頻度が極めて高いライティング・スタイルです。
もしあなたが借用したい文章がドンピシャの書類の名称で見つからなければ、上の4つで分類したもので同じ属性のものから拝借することができます。
覚えておくとよいでしょう。
まとめ
英文の文体は、文章をわかりやすく書くために制定された基本ルールです。
- 言葉の選択
- 文章の構造
- 文節の構造
の3つでルールが存在します。
細かなルールが制定されていますが、独力でわかりやすい文章を書き上げるのが難しければ、あなたが書いているものと同じ種類の英語の書類をネット検索して文章を拝借する。
それで見つからなければ、ExpositoryまたはPersuasiveのどちらかで同じ属性の書類から文章を拝借すれば良い・・・ということでしたね?
英語でわかりやすい文章を作成するのは簡単ではありませんが、ぜひ、上で説明した方法を試してみてください。
また、繰り返しになりますが、わからないことがあったり、自分一人ではできそうにないので助けて欲しいという時はお気軽にご連絡くださいね。
それでは、また。
この記事を読むのに必要な時間は約 1 分です。
無料!知らなきゃ損する英語プレゼン技術!
ブログではお伝えできないマル秘プレゼン上達テクニックを学習していただけます。
詳しくは→ から