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プロの編集者がどんな点に注意して英作文の添削をしているかご存知でしょうか?
(プロの編集者となると、テキストの品質次第でビジネスに大きな影響を与える特性の書類を扱うため、高い編集スキルが求められます。求められる資質について、詳しくは↓をご覧ください。)
彼らは、連日何万ワードと加筆修正作業を行い、洗練された文章を常に高い品質でアウトプットすることが求められます。
そして、限られた時間内に効率的に作業をこなすことも同時に求められているのです。
日本人があまり知らない英語が母国語のプルーフリーダーが添削時に必ず確認する7つのチェックポイントについて、その勘所を、特別に
・米国シカゴの高校と大学を卒業
・株式会社デンソー(自動車部品業界世界1位)で10年間国際販促プロジェクトに従事
・2008年から翻訳、英文コピーライティング、教育、海外販促の分野で国内外を代表する企業250社にサービス提供中
・現在は米国・英国のパートナーと数名の外国人スタッフの国際プロジェクトで活躍中
が徹底解説いたします。
ところで、私(経歴)は仕事柄、致命的な間違い情報が記載された書類を提出して、お客様の心象を害し、取引が停止になった事例を両手で数えられないくらいたくさん知っています。
- 米国籍の世界でも知名度が抜群のTier1自動車部品メーカー
- 日本の北陸地区を代表する計測機器メーカー
- 欧州籍の一般消費財メーカーの日本支店
- 日本を代表する電機メーカー
- 東証1部上場の機械メーカー
- 東京都の老舗玩具メーカー
などなど。
国籍を問わず世界中の企業が書類の不備でこの様な惨劇に見舞われているのですが、共通して言えるのは、こういったミスをおこす企業は確認作業が徹底されておらず、また、書類の品質チェックを行う体勢が整備されていなかったということです。
もし、あなたの会社に英文を品質チェックできる体勢がなければ、外注して最終確認してもらうのも一つの手ですが、今からお伝えする7つのチェックポイントを愚直に確認することさえできれば、必ずこの様な悲劇は避けられます。
せっかく大変な努力を重ねて今までつみあげてきた信用も、些細なミスで一瞬にして命取りとなってしまいます。
あなたがもし責任者として会社の運命を左右する様な大切な書類を英語で作成されているならば、これから説明する7点は必ずチェックする様になさってくださいね。
プロが英作文の添削時に必ず確認する7つのポイントとは
プルーフリーダーが英作文の添削時に必ずチェックするポイントは以下の7点ですが、実は(英語が母国語の人たちを含めて)一般の方にはあまり良く知られていません。
(私がアメリカの学校でそれを知り得たのは、私がたまたま生徒の作文力向上に力を入れている学校に通っていたからでラッキーだったからです。)
この原則をおさえているかどうかで、英作文の添削の品質が大きく様変わりします。
必ず確認する様にしましょう。
・文法
・綴り(スペリング)
・使用している単語の適性感
・書式(情報の配列と見栄え)
・情報の配置・配列の妥当性
・表現力(わかりやすさ、稚拙な表現になっていないか)
・信憑性
一つずつ解説します。
(1) 文法
英語の文章は、ざっくりと言いますと、主に11の要素*に句読点が加わったものが、9つの時世**で表現されます。
*11の要素とは、名詞・代名詞・動詞・動名詞・助動詞・形容詞・形容動詞・接続詞・副詞・前置詞・冠詞。
**9つの時世とは、現在形、現在進行形、現在完了形、過去形、過去進行形、過去完了形、未来形、未来進行形、未来完了形。
文法のチェックとは、対象テキストが英語で定められた文法のルール通りに書かれていることをチェックする作業です。
英語とは構造が全く異なる日本語を母国語にする我々が不規則なルールが多い英語の文法を完璧にとらえて文章を書くのは大変困難です。
自力救済はまず無理で、英語の文法を知り尽くしている人でないと確認が出来ないチェック項目でもあります。
ですから、もしまわりに英語が母国語で高い編集スキルを持つ人物がいない場合は外注されるのが最も最適な解決策です。
↓国内外の代表的なサービスの価格表とサービス内容について簡単にまとめました。
↓また、どういった資質をお持ちの方がこの作業に向いているかもまとめましたので参考になさってください。
(2) 綴り(スペリング)
日本語だと漢字の画数、部首が正確か?適切な漢字があてられているかを確認することが主なチェックポイントですが、英語でも同じです。
一例にあげますと、acceptableのことをacceptible(誤ったキャラクターの採用)、addressをadress(文字が足らない)、weirdをwierd(キャラクターの順番の間違い)と言った間違いが良く見かけられます。
英語が母国語の人でも良く間違う綴り。英語ではCommonly misspelled wordsと呼ばれます。 他にも、
・Lead/Led
・Their/They’re/There
・Conscious/Conscience/Cautious
などなど少なくありません。
日本語でもそうですが、文字を一つ変えるだけで大きく意味が変わりますので注意が必要です。
この様に英単語が正しく書かれてているかを確認することが綴りのチェックです。
綴りのチェックについては、アプリやソフトを用いて簡単に確認することができますので、最低限、それだけはやっておく様にしましょう。
(3) 使用されている単語が適切に使用されているか?
単語が適切に使用されているか?は以下の4つの観点でチェックします。
①間違った熟語(Idioms)の採用
例えば、hung outとhung aroundです。
どちらもブラブラするという意味ですが、前者は友達と連れだって意味もなく街をさまよう時などに使われるのに対し、後者は特定の箇所でブラブラする(例えば、本屋でひとり時間をつぶす)様な時に使用されます。
この様な、英語が母国語でない方が誤った熟語を採用していることは珍しくありません。
②誤った言葉の使用
日本人の間で特に多い間違いがこれで、動詞や、形容詞、前置詞、冠詞を正しく使えていないことが良くあります。
動詞の場合、例えば、recommend(推薦する)やsuggest(提案する)の代わりにinsist(主張する)という単語が使われていることがあります。
これらはすべて日本語だと”オススメする”という表現になるので混同する人がおられるのです。
形容詞の場合、例えば、高さをあらわす表現でHigh(地面からの距離をあらわす)とTall(身長などのサイズをあらわす)を間違えたり、father(更に遠く)とfurther(“もっと”という意味の更に)を混同して使われいることが良くあります。
③英語版てにをはの間違い
“英語版てにをは”とは、日本語に無い前置詞です。
in、on、atを取り違えたり、untilとbyを間違えていたり。
ほとんどの日本人は、英語が母国語ではないため、誤った前置詞を使っていても違和感を感じないため、自力で修正することは困難なのです。
④冠詞の抜け・漏れ
そして、The, A, Anの様な名詞の前に書く冠詞ですが、必要なのに書かれていないことや、誤ったものが使われていることは決して珍しくありません。
適切な単語を使用しないと読者に誤解を与えますし、時には読者に不快感を与えてしまいます。
そのため、正しい単語が選択されているかをチェックし間違いを修正するのは大変重要な作業なのです。
(4) 書式(見栄え)
英語の書式で日本人が注意しなければならないのは、大まかに分けて以下の2点です。
・最適な文字の採用
フォントの選択肢と文字の大きさが誤っていることがよくあります。
また、大文字と小文字の使うべきタイミングが誤っていることが少なくありません。
・句点・読点・コロン・セミコロン・ダッシュ・ハイフン・アポストロフィーなどの使用
日本人の場合、句点・読点は大丈夫ですが、その他の利用方法が良く誤っています。異なるものが使われていたり、必要な時に使用されていないのです。
書式においては、過ちがないか英語圏の読者に違和感を与えない選択がなされていることの確認を行います。
(5) 情報の配置・配列の妥当性
日本語でもそうですが、一つの段落に過去のことや未来のことが書かれていれば混乱します。
また、異なるテーマやアイデアが同じ段落内に複数散りばめられていても誤解を招きます。
現在形と未来形、過去完了形の文章が同じ段落に書かれてあっても混乱を招きます。
情報を整理し、時系列に並べ替えて読者がストレス無く読める様に修正するのがここでの作業です。
(6) 表現力(わかりやすさ、稚拙な表現になっていないか)
日本語でもそうですが、上手な文章とそうでないものの違いは明確です。
- 途中でつまることなく、ストレスなく読めて
- 理解がしやすく
- 曖昧な表現になっていない
この3つが優れた文章の特徴です。
読者はビジネス文書の作者に芸術的な表現や洗練された言い回しを求めてはいません。
作者が伝えたいことが正確に、読者がストレスを感じず、悩まずに伝わる英文に修正するのがここでの作業です。
(7) 信憑性・信頼性
信憑性とは読者が読んで納得できる内容になっているかをあらわします。
例えば、お客様との金銭交渉に一担当者が書いた手紙よりはマネージャー格かそれ以上の方が書いた手紙の方が信頼性が高いです。
臨床結果について書かれたドキュメントなら、作者や監修者がお医者様であった方が信憑性が高いです。
薬の効能を訴えるなら、薬に含まれている成分の説明よりも、何人の患者が、どんな病状に苦しんでいて、投薬によってどれくらい症状が改善したかをデータと共に説明する方が信憑性が高まります。
- 作者の権威
- 証拠
- 訴えるメッセージの適正感
が信用度を高めるのに欠かせませんが、それらが文書で明確に訴求するのがここでの作業です。
信憑性が高い文書でないと信用を勝ち取ることができませんからね。
更に最近は上記の7つに加えてSEOライティングの品質確認が行われることも少なくありません。
SEOライティングとは、検索エンジンで情報を探している人が特定のキーワードで検索した時に、上位に表示される様にするライティングです。
ライティングの品質により検索エンジンに表示される順位は異なります。
結果、サイトへのアクセス数が大幅に変わり、収益に大きな影響を与えます。
その為、SEOライターにテキストの作成や見直しを依頼する企業も最近は増加しています。
ビジネス文書の英文の校正者は上記の7つ(場合によってはSEOライティング品質も確認)を念頭にプルーフリーディングを行います。
その際、プルーフリーダーはあらゆる書式のビジネス文書の書き方に精通していなければなりません。
↓様々なビジネス文書の書式についてご参照ください。
まとめ
英作文を添削する際、プロは徹底して以下7つのチェックを全ておこなっています。
- 文法
- 綴り(スペリング)
- 使用している単語の適性感
- 書式(情報の配列と見栄え)
- 情報の配置・配列の妥当性
- 表現力(わかりやすさ、稚拙な表現になっていないか)
- 信憑性
巨額の費用が動くプロジェクトの見積もり回答や、公的機関に提出する申請書や入学願書など人生の節目とも言える書類を作成する際は、最善を尽くして最高品質の書類に仕上げるのが当たり前です。
私ごとの事例になり恐縮ですが、私の出身母体である株式会社デンソーでは、書類の作成に尋常ではない時間をかけて最高品質に仕立て上げます。
数十億円単位のプロジェクトならば、それこそ部全体を動員してチーム一丸となり軽微なミスも無い様に仕上げるのです。
この様な品質管理を徹底していることから、自動車部品業界で世界一の座に君臨しているのですが、貴社がおかれた状況はいかがでしょうか?
- 人材不足
- 予算不足
- 時間の不足
など、様々な理由をつけて文書の品質管理をおざなりにされておられませんか?
書類の品質管理を怠ることで巨額の損失を被った事例を仕事柄たくさん存じ上げているため、英文のチェックは本当に大切な作業で一切手を抜いてはいけないことこの記事であなたに伝われば本当に嬉しく思います。
英作文の添削は実践するのも大変ですが、手を抜くともっと大変なことになります。
もしあなたが独力でチェックすることが難しい様であれば、添削のプロに外注してみるのも悪くない選択肢です。
この記事を読むのに必要な時間は約 1 分です。
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