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こんにちは、一條 彰(詳しい経歴)です。ネイティブチェック。
普段あまり耳にしない言葉です。
大抵の方はネイティブチェックって何?と言う程度の知識で、知らなくても特に恥ずかしいことでもありません。
「ネイティブチェックって何か知らない。でも上司や仕事仲間に受けた方が良いよ」とアドバイスされたのでその意味を調べている・・・と言った方のために役立つ情報をまとめたのがこの記事です。
ネイティブチェックの意味を理解できるだけではなく、どうすればうまく活用できるか(またはトラブルに巻き込まれないか)その勘所が身に付けられる様にと願って書きました。
ここでは、
・ネイティブチェックって本当に必要?
・ネイティブチェックと使う時と使わない時の判断基準は?
・費用はどれくらい?
・ネイティブチェッカーを採用する基準は?
と言った5つの視点でネイティブチェックの疑問に答えています。
- 無駄なお金を使ったり
- 誤った人に依頼をかけたり
- 不快な思いをしたり
・・・と言ったトラブルを巻き込まれない様に、知っていると得する情報を網羅することを心がけました。
この記事があなたのお役に立つことができれば本当に嬉しく思います。
是非最後までお目通しください。
ネイティブチェックって何?
ネイティブチェックとは、元原稿(“ソース言語”で書かれたもの)から他国語に翻訳(“ターゲット言語”に訳す)されたものをターゲット言語が母国語の校正者(“プルーフリーダー”)が加筆修正する作業を指します。
ターゲット言語の読者が違和感、疑問やストレスを感じないように文法上の誤りを直して自然な表現にする編集作業で翻訳とは別物です。
実はネイティブチェックは英語ではなく、”和製英語”です。
英語ではプルーフリーディング(Proofreading)と言い、ネイティブチェックでは英語が母国語の人には伝わらないので注意が必要です。
そんなネイティブチェック、プルーフリーダーが作業で確認するのは以下の7つのポイントです。
7つのチェックポイントについては、↓で詳しく解説していますのでご興味がお有りの方は参考になさってください!
では次に、ネイティブチェックの要否について一般的な判断基準を依頼者の方の目線で解説します。
ネイティブチェックの必要性について
翻訳って元原稿を忠実に相手の国の読者の言葉に訳する作業でしょ? それができていたらネイティブチェックっていらないでしょう?
しごく当然の質問だと思います。
作者の意向が正確に翻訳されていたらそれでいいじゃない、ネイティブチェックなんていらない・・・と思われるのは当然です。
また、ネイティブチェックの依頼をかけると、その分コストが発生しますし、多くの方が本当にお金を払ってまで翻訳したものをブラッシュアップされているのか疑問ですよね?
私も以前は、ネイティブチェックなんて一切必要ない! そう思い込んでいたのですが、翻訳会社を経営する様になって
ネイティブチェックは時と場合によって使い分けが必要だよね
と考え方があらたまりました。
日本語でも文章を書くことを生業にしている方の原稿を編集者が校閲する作業が必ず行われます。
村上春樹さんや東野圭吾さんの様なプロの作家が書いた小説も出版される前に必ず編集者によって手直しが行われているのです。
プロが書いた文章でも校閲されるのであなたが英語で書いた文章を校閲されることは全然恥ずかしいことではありません。
それと同じ様に、翻訳家が英訳した文章でも細かな文法や表現にある些細なミスを英語が母国語のプルーフリーダーに正してもらうのは当たり前の作業なのです。
特に英語が母国語でない我々が書いた文章はチェックしてもらう方が安心できますよね。
でも、すべての英語で書かれた文章に手間隙をかけてネイティブチェックをしなければならないか?と言われると、そういう訳ではありません。
重要度が高いテキストはチェックしてもらう方が良いけど、そうでないものは必ずしも受ける必要はありません。
ネイティブチェックは翻訳されたテキストの重要度によって使う場合とそうでない場合がある。
では、ネイティブチェックはどの様な時と場合に利用するのでしょうか?
一般的な判断基準は次のとおりです。
ネイティブチェックを使わない時と使う時
ネイティブチェックは、文章の品質で読者の反応が大きく変わり、被害や報酬、見返りが大きな性質の書類に使われることがほとんどです。
(1) ネイティブチェックを使わない時
- 仲間内で送受信するE-mail
- 趣味で書いている英語のブログ記事
- 子会社や関係会社に送付するための資料
などにはあまりネイティブチェックが使われることはありません。
気心の知れた相手とのやり取りや金銭がからまない性質のメッセージを発信する場合、たとえテキストにミスがあっても被害が発生しないので、そこまで労力をかけないというのが一般的です。
(ただし、英語のライティングの勉強のためにネイティブチェックで添削してもらう人も中にはおられます。)
逆に、
(2) ネイティブチェックを使う時
- ホームページやプレスリリース、本など不特定多数に長い期間見られる可能性が高いもの
- 役所や政府関連機関に学校、大切な取引先に提出する書類
- 繊細なメッセージを漏れなく伝えたい手紙やE-mail
- 学会に提出する論文(弊社では対応しておりません)
にはテキストの性質上、ネイティブチェックをリスクを回避する目的で使用されることが多いです。
ネイティブチェックは、金銭や精神的な見返りが大きく重要度が高い大切なテキストに使用されることが多い。
そんな大切なテキストに使用されるネイティブチェック、どういった人に依頼すればよいでしょうか?
プルーフリーダーは英語が母国語の人だったら誰でも良いと言う訳ではありません。
次にネイティブチェックを依頼する相手としてどういった方が最適なのかを解説します。
ネイティブチェックを依頼する相手の資質
ネイティブチェックを依頼する相手として最適なのは、次の5つの条件すべてに当てはまる人です。
(1)英語が母国語と同じくらい自由に使いこなせる
(2)文章の編集能力が高い
(3)校正作業を依頼する分野に精通している(実務経験がある)
(4)能力と実績を客観的に証明できる(経歴とサンプルを見せてくれる)
(5)人間性が高い(安心して一緒に仕事ができる)
英語力、編集量力、専門知識(語彙力)と実績があり、仕事を任せられると判断できる人が最適なプルーフリーダーの資質の持ち主です。
これらの条件でどれか一つでも疑問を持たれる様でしたら、次の候補者にあたられることをオススメします。
プルーフリーダーの選定基準については、↓にくわしく書きましたので詳細を確認されたい方はリンク先の記事をご覧願います。
それでは、最後にネイティブチェックで発生する費用について軽く触れてこの記事をラップアップいたします。
ネイティブチェックで発生する費用
弊社の調査では、ネイティブチェックは200ワードあたり、だいたい600円から5,000円の間で価格設定されています。
(調査結果詳細は↓をご確認ください。国内外の会社に関する情報をまとめました。)
サービスレベルは、大体
- スペルと文法の間違いを指摘
- スペルと文法の間違い指摘に加え、多少単語を入れ替えてより洗練された文章に修正する
- スペルと文法の間違い指摘に加え、多少単語を入れ替えてより洗練された文章に修正することに加えて、要らない情報を削除し足らない情報を補うことでそのまま出版できる品質に修正する。
の3段階で、依頼されるテキストの専門分野やその難易度により価格が変動します。
そして、サービスの提供者(ほとんどが法人)が個々に任意の価格を設定しているので相場はあってないようなものです。
ネイティブチェックを受けられるのならば、大体費用がどれくらいでどういったサービスを提供してくれるのか?をあらかじめ見積もり依頼時に確認しておくと後に嫌な思いを回避することができます。
一般的にサービスレベルと品質が高ければ高く、専門知識が必要な分野であればあるほど、値段が高くなる傾向があります。
まとめ
ネイティブチェックは、ターゲット言語の読者が違和感、疑問やストレスを感じないように文法上の誤りを直して自然な表現にする編集作業です。
プロの作家が書いた文章でも必ず校正者により手直しが入りますので、英語に不慣れな日本人が書いた英文のネイティブチェックを受けられること自体、全く恥ずかしいことではありません。
ただ、そんなネイティブチェックですが、英語が母国語の人なら誰でもチェックをできる訳ではありません。
7つのチェックポイントを理解し、
- 英語力
- 編集能力
- 専門知識(語彙力)
- 高い人間性
全てを保有している人でないと使えないレベルで納品されますので、最初に選考に労力をかけた方が絶対に良いですよ。
選考では、客観的な評価基準(これまでの経歴とサンプル)、費用と納品にかかる時間を必ず確認する様にしましょう。
この記事を読んで質問を感じられましたらこちらからいつでもお気軽にお問い合わせくださいね。
折り返し返答させていただきます。
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